「あれ? 今日は早いんだね」



いつもの裏口からスタッフルームに入った。


するとそこにはすでに私服に着替えた勉さんがいた。



「勉さんこそ、今日はもう終わりですか?」


「うん、昨日一時間早めに入ってたから早く上げてもらったんだ」



にこりと笑い、食べかけののり弁当を頬張った。


こんな早朝からお弁当……夜通し働いた勉さんにとっては、今が夜ご飯の時間なのだろう。


夜勤って大変なんだろうな、なんて思いながらコートを脱ぎ、鞄をロッカーに入れて制服のシャツを服の上から羽織った。



「叶さんは朝ご飯食べた?」


「あっ、いえ」


「あっ、食べない派? この時間から入ったらお昼過ぎまで休憩ないんでしょ。よくお腹もつね」


「やっ、そんなことないですよ。今日は食欲が無かっただけなので普段は食べてます」



そうなんだ、と言いながら勉さんはお弁当を食べきった。