察しのいい勉さんは、 「それ、彼氏に言われたの?」 すぐに感づいて、少しだけ眉を寄せる。 「……はい」 がしゃんとパイプ椅子の背に体を預けて、天井を仰ぐ。 「……俺……柚子ちゃんがどっちを選んだのか、なんとなく分かった気がするよ……」 ……ハイ。 多分当たってると、私も思います……。 すると出勤時間が迫り、慌てて勉さんに挨拶をしてから、私は店へと繋がる扉を押し開けた。