それなのに手はそれを求め、探る。 触れた指先を必死に動かし、たぐり寄せる。 少しずつ、少しずつ。 中指から人差し指、やがて5本の指がそれを捉えた時、微かに声が聞こえたーー。 『…………』 気のせいかもしれない。 目も、耳もいつものように正常には機能していない。 感覚が麻痺しだしているのだろう。 だからきっと、違う。 これは、違う。 これは私の願望なんだ。 誰にも知られたくないのに。 それなのに、助けて欲しくて……幻聴を聞いているんだ。 だから決してこれはーー。