堪えきれない痛みから、空いた手足でそれを止めようとするが、
「お前がもっとちゃんとしていれば」
私の体に馬乗りになり、
「こんな躾などしなくても済むというのにッ」
無数に私を殴りつける。
頭。
胸。
腹部や背中……。
至るところに痛みが走る。
もうどこが痛いのか、どこを殴られているのかすらわからない。
……もうだめだ。
私はこのままだと、殺されるーー。
気がつけば涙が洪水のように流れ出していた。
もう抵抗する気力すら失いかけていた時、私の右手は何かに触れた。
だけどそれが何か分からない。
降りしきるお義父さんの拳を抜けて、顔を向ける事も、ましてや涙腺が崩壊した瞳がそれを映し出す事も叶わない……。
全身は打撲の振動で震え、痛みが神経を伝って全身を駆け抜けている。
そんな状況で、今私の右手にあるものの存在を確かめることなど出来はしない。