助け……助けて……。



上手く呼吸が出来なくて、思わず手を差し出した。


誰にすがるわけでもなく、単なる本能から手を伸ばした。



「あああっ!」



その手を力一杯踏みつけられながら、今度は髪を鷲掴まれて無理矢理頭を上げられる。



「何度も言っただろう? 私がこうしてお前を痛めつけるのはお前が悪いんだって……」



そのままこめかみのそばを力一杯拳固され、再び床に叩き付けられた。



「それなのになんだ。これでは私が悪者じゃないか」



手を踏みつけていた足で、今度は私の頬を踏みつける。


煙草の火を足で消すように。


元々あった瘤と、今殴られた痛みが共鳴し合う。



痛い。



「特にあのガキ……柏木とか言ったアイツは私の事を完全に怪しんでいたではないかっ」



再び腹部に、鉛の様な音と痛みが走る。



「全てはお前の品行が悪いから、私の手を煩わせているだけだというのに! そんなことも分からないのかっ!」



胃に込み上げてくる嘔吐感。


気持ち悪い。


お義父さんの足が、今度は私の頭部を何度も踏みつける。