そう上手くはいかない。
「お前、バイトあるんじゃないのかよ」
そう言いながら一番に私のすぐ隣を陣取ったのは雄馬。
「あるけど、柚子を送って行くくらいの時間はある!」
そして反対側には優が現れた。
もうそれならーー。
「2人で送ってくれればいいじゃない!」
優と雄馬。
2人の腕をガッチリ掴んで、走り出した。
「おい、柚子」
「柚子、危ないって」
知らない、知らない。
そんなの知らなーい。
廊下を駆ける私達を、不思議そうな目で見ている生徒。
そんな中を駆け抜ける。
ーーすごく、気持ちいいや。
笑いながら、息が切れるまで私は走り続けた。
2人の腕を掴みながら。



