金魚すくい



「2人して何を話しているんだ?」



その声に私の体は硬直した。


暗い廊下の影からのそりとした足取りで現れたのは、私の鬼門であり、恐怖の対象……お義父さんだ。



「パパ、明日からの事を柚子に伝えていたのよ。さっき話した通り、私が家にいない間は家事を柚子にしてもらおうと思って」


「そんな事くらい私がやるよ。ほら、柚子だって予定があるだろうし」



目尻の角を落としながらも、口元はニタついている。



怖い。



「そんな事言って。パパ、柚子を甘やかしてはいけないわ。この子ももう高校生なんだし、それにパパはそんな事言うけど、何もできないんだから」


「何もできないって、ひどいじゃないか」


「いーえ、できません! 今まで散々だったじゃない」


「ははっ、酷い言われようだな。否定はしないけど」



ママ達は楽しそうに会話を続ける。


恐怖で怯える私とは裏腹に。