金魚すくい



「昔からアイツも柚子が好きだったからね……」



ぼそりと言われた言葉は、風に乗って私の鼓膜を小さく揺らした。


さっきから2人の会話に出てくるその言葉。


それに対してたくさんの疑問がある。



「……でも、それなら何で雄馬はーー」



独り言だった。


今まで幾度となく自問していた疑問。


それは心の中で唱えた独り言。


そのつもりだったけど、どうやら言葉に出してしまっていたようだ、と優が私を覗き込む顔を見て気がついた。



「何で雄馬は自分に対して冷たかったのか……って?」


「ううん、そうじゃない……そうじゃない、けど……」


「じゃあ何で距離を置かれてたのか、とか?」


「……」



こういうとこ、雄馬と違ってするどいよね。


私は口をつぐんだ。


それは肯定を意味してると捉えられても仕方がない。


というよりも、正解だ。