金魚すくい



学校の門をくぐり、外へ。


まだ季節は冬。


だけど、少しずつ春の足音が風や草花、沈む夕日の遅れがそれらを表していた。


そんな景色を見ながら、私は優の隣を歩きながらちらりと見やる。


幼い頃の面影はあるものの、当時とは全く違う姿をした優。


横顔だとより一層に長いまつげや、シャープなフェイスライン、形の良い鼻……それらがよく分かる。


大人になった優の姿を観察していると、顔は前を向いたまま、黒い瞳がチラリとこちらを見てーー目が合った。


その瞳が私を捉えたまま、優しい色を乗せて微笑んで……。



「なんか久しぶりだからか、変な感じするね」



今度は少しだけ肩を揺らして笑った。



「うん、そうだね……。昔だって2人きりでいる事の方が少なかったしね」


「たいてい雄馬が邪魔しに入るからね」


「違うよ。なんだかんだ2人は仲が良いからだよ」



ふふって笑った私に対し、優は不満そうに目を泳がせた。