金魚すくい



ゆっくりと腕を解いて、優を解放する。


どこか名残惜しそうに。



「ごめん……」



無意識に力一杯締め付けていたから、きっと苦しかったに違いない。


そう思っての謝罪の言葉だった。


だけど。



「ーー柚子、謝ってばっかり……。なんで柚子がそんなに謝るのさ」



解かれた腕の中から現れた優は、雄馬に負けず劣らず爽快な笑顔を携えていた。



「いや、だって……」



なんでと言われると、ちょっと困る。


出来もしない事、自分のキャパを越えた事で謝っている私は、なんだかお門違いなことを言ってるようでーー説明に困る。



「柚子」



なんだか気恥ずかしく感じはじめていた自分に、はっとさせるほど優の澄んだ声が耳に響いた。



「ありがとうーー」