金魚すくい



「……優」


「分かるわけ、無いんだ」



一歩。


また一歩。


私は優へと歩み出す。



「いつ返済できるのか、先の見えない借金に不安ばかりの毎日で」



完全にしゃがみ込んだ優は、項垂れるように俯いた。



「俺と母さんのことを想って、負い目を感じた父さんは1人責任を背負って……」



やがて優の体は小刻みに震え出す。



「ーー自殺したことも……」



私の足は止まる。



ーー自殺?


優のお父さんが……?


優のお父さんは忙しい人だったから直接会った事は無かったけど、家族写真を見たとき、とても凛々しい素敵なお父さんだと思った。


そのお父さんがーー自殺した……?



優は頭を抱えて、子供のようにうずくまった。