金魚すくい



「なんで今まで連絡してこなかった? 10年経つまで、高校生になるまで……なんで連絡ひとつよこさなかったんだ!」


「雄馬やめてよっ。そんなの仕方ないじゃない」


「仕方ない? もう俺達はそこまで子供じゃねーだろ。昔じゃあるまいし、今は電話だけじゃなくネットでもなんでも連絡手段はあっただろ。

コイツはそれもしないで、俺にも柚子にも連絡してこなかったんだぞ? それだけの関係だったってことだろ!」



ーーああ、そうか。


雄馬はただ単に怒ってたんじゃなかったんだ……。


きっと、そう……寂しかったんだ。



「だけど……」



兄弟のように仲が良かったから。


だからこそ、連絡をしてこない優に苛立ちを覚えていた。


私達から優を探すのは困難で。


誰にも知られず、誰にも知られない場所へ夜逃げした優を探す事はできないから。


だからこそ雄馬は待っていたんだ。


優からの連絡を。



ーーだけど、


10年という月日は余りにも長過ぎたんだーー。