「……勝手な事、言ってんなよ……」
優の背中に触れるその前に、雄馬がゆっくり立ち上がり、声を漏らした。
「お前なら……だって? 何だそれ」
ひやりと張りつめた空気が再び広がる。
思わず一歩下がってしまった私に対し、優は微動だにしない。
視線は雄馬を見据えたままだ。
「そんなこと思う前に、お前だって何か出来る事なかったのかよっ!」
再び雄馬は優に向けて拳を振り上げた。
慌てるようすもなく、再びそれをさらりとかわす優。
だが、今度は反対側から左フックが優の腹部目掛けて飛び込む。
避ける方向を読んでいた雄馬は、優に2発目の拳をねじ込んだ。
利き手ではない拳だが、それでもモロに食らうと、たちまち体は吹き飛んだ。
「優!」
慌てて優の元へと駆け寄る私の背後から、雄馬が言葉を放つ。



