金魚すくい



雄馬は再び拳を握り、殴り掛かってきた。



「俺達の前から、いなくなったお前が!」



私が息を飲む瞬間にも、優は向かって来る拳を避け、



「じゃあなんで……なんでお前達までこんな、距離つくってるんだ!」



雄馬の腕を這うように掴み、軽々と雄馬の体を宙に浮かせ地面に叩き付けた。



「……っ!」



優は腕を離し、見下ろす。



「俺はお前ならって、そう思ってたんだ。なのに……」



見下ろす優の顔は苦悩に満ちていた。



「……優」



たくさんの事に傷つき背負ってきた優の背中。


その痛々しいほどの背中に向かって、私は手を伸ばした。