金魚すくい



私の叫びと視線を追いかけて、優が振り向いた瞬間……。


雄馬の右ストレートがフルスロットルで優の少しばかり骨張った頬にぶち当たり、音を放つ。


皮膚と皮膚がぶつかった瞬間の乾いた音と、拳と頬骨がぶつかる重低音。


あまりの勢いに、優の上半身が大きく揺れて、私の膝に飛び込んだ。


さっきまでそこにはサンドウィッチが乗っていたのに、取って代わったようにそこには優の頭があった。



「優っ!」


「……っ」



綺麗な顔が痛みで歪む。


手の甲で口の端を拭い、そのまま地面にツバを吐き出した。


ーー赤いツバを。



「優、血がっ!」



一瞬で薄い唇がほんのり晴れ上がり、そこから出血している。


しかしそんな事にもお構いなく再び雄馬は拳を振り上げた。