「ねぇ、柚子」
「なに?」
とある日の昼休み。
お弁当を持って、ひとり静かに裏庭でごはんを食べようと思っていた私の隣には、なぜか優がいる。
いつもあてもなく静かな場所を探してお昼を食べる。
たったひとりで。
なのに優はそんな私を見つけるのが得意なようで、ひとりで来たはずなのに気づけばいつも隣に優がいるんだ。
「なんで柚子は雄馬とあまり一緒にいないの?」
なんでって……。
……なんでかな?
私があまりにも真剣な様子で考えていたものだから、優はさらに言葉を付け足した。
「一緒にいないどころか、あまり会話もしないね。俺が柚子に話しかけるとムキになった雄馬がすぐ駆けつけるけど」
「はははっ」
私は乾いた笑いを放った。