金魚すくい



「柚子?」



私の顔を覗き込んで少しだけ眉をしかめる。


その呼び声にはっとして、慌ててココアを飲み干した。



「あっ、ありがと……そんなこと言ってくれるのは優くらいだよ」



優のしかめた眉がさらに深くなる。



「なんで?」



なっ、なんでって言われても……。



「雄馬は?」


「えっ……?」


「雄馬は言ったりしない?」


「ないない!」



慌てて否定して、なんかすごく虚しくなった。


よく考えたら雄馬は私の彼氏なんだもんね。


優から見れば私達は普通のカップルに見えるはずだもんね。


付き合って1年。


たとえそれが、今日初めて一緒に帰ったっていう関係だとしてもーー。