金魚すくい



「……っんだよ、それ! お前信じてないだろっ」



私を押しのけて再び優へと挑みかかる雄馬。


優の胸ぐらを掴もうとした瞬間、



「いや、その逆だよ。……むしろそうだと思ってたから」



雄馬の腕を掴んで言い返した。



「柚子に彼氏が出来たとすれば、その相手はきっと雄馬だと思ってた」



そう言って優は雄馬の肩越しに私を見つめる。


真っ直ぐに。



ーーあっ、そうか。


前にレストランで会った時、勉さんが優に向って言ったからだ。



“彼氏?”



だから私に彼氏がいるって分かってたんだ。