どんなに辛いことがあっても両親には心配かけたくなくて、何も話さなかった。


娘がいじめられてるなんて知って、悲しまない親はいないはず。


だからこそ、絶対両親にだけは悟られないようにしようと思っていた。


でも、もしかしたらお父さんもお母さんも勘づいていたのかもしれない。


「うん…」


今になってわかるなんて、遅すぎる。


こんなにも素敵な味方が二人もいたというのに。


「ほら、美桜!突っ立てないで、ご飯食べましょう」


「うん」


二人の温かい気持ちで、胸がいっぱいになった。


私たちは、三人でお母さんが作ってくれたご飯を食べた。


お母さんのご飯は相変わらず美味しかった。


家には三人の笑顔が溢れていた。


こんなに素直に笑えたのは、いつ以来だろう。


私は幸せだ…。