最近の部活は全てにおいて充実している気がする。


ファイルを片手にコートで練習する部員達を見ていて、これからどう成長して行くのか見ているのが楽しくて仕方ない。


あたしは、ファイルの部員名を上から順に見ていく。


一番下には、”田尾 蓮“。


自然に笑みが浮かび、彼の名前をそっと指でなぞってから、コートの端で柔軟をする田尾くんに目を向ける。


白いユニフォームから出ている二の腕の筋肉が、体を動かす度に動いてカッコイイ。


誰よりも長身で、一重の鋭い目はキツく見えるけれど、それがまたカッコよくて……。


「よかったね、田尾くん毎日部活来てくれて」


「……ッ!?」


不意に隣から声を掛けられ、あたしは驚いて肩をビクつかせる。


「……さおり。びっくりした」


目を丸めて答えると、さおりはおかしそうにクスクス笑った。