「以前1回だけ、彼のバスケをする姿を見たことがあって……う~ん……全部話すと長くなるんですけど……」
ああ、もう……。
ここに来る前に、ちゃんと言いたいことまとめとけって感じだよね。
聞きたいことがあり過ぎて、何から言っていいのかわからない……。
「俺ら、田尾と日高くんとの間に起きたことを詳しく聞きたくてきたんだけど」
あたしを見兼ねたのか、先輩が話し出した。
「その、日高くんは、中学の時、試合でケガをしたんだよな?」
日高先輩が小さく頷く。
「田尾、の、せいで……?」
先輩は日高先輩の内心を窺うように聞く。
日高先輩は、膝に手を付き前かがみの体勢になると、ゆっくり口を開いた。
「あいつのせいじゃないよ」
あたしは先輩と目を見合わせる。



