岩石先輩との話し合いの結果、あたし達は田尾くんよりもあの先輩への接触を優先することにした。


きっと、あたし達が田尾くんに何を言っても聞かないと思うから。


先輩へ今の状況を伝え、あの事故以来、何を思っているのか直接聞こうっていうことになったの。


翌週。


あたしと先輩は早めに部活が終わった日に、急いでまたあの高校に向かった。


出来ればさおりも一緒にいてほしかったけれど、女バスと男バスは練習スケジュールが少し異なる為難しかったんだ……。


ジトジトと嫌な湿気があたし達の肌にまとわりつく。


息が苦しくなるほどの蒸し暑さに、額から汗が噴き出る。


夕方になってもこんなに暑いなんて……。


今年は夏を過ごしきるだろうか……。


「ひゃっ!!」


急に頬にヒンヤリするものが当たって、あたしは大きく肩をビクつかせ声を上げた。