あたしが背伸びをしたり身を屈めたりして辺りを見渡していると、体育館の柱の陰から急に人影が現れた。
あたしはバレないように咄嗟に近くの水道に身を隠したけど、すぐに体を起こした。
「田尾くん!!」
制服姿の田尾くんを見つけ思わず大きな声を出してしまい、あたしは慌てて口を押さえまた水道に身を隠した。
だけど、時すでに遅し……。
「何やってんすか?」
身を縮める頭上に影が出来、不機嫌な声がかかる。
あたしのバカ……。
せっかく今までバレないように隠れながら来たのに、あんな声出したら見つかるに決まってんじゃん……。
もう、本当アホ……。
あたしは勝手にここまで来たことにバツが悪くなって、亀のように首を縮ませながら立ち上がる。
怒られると思って、唇を噛みながらしまったという表情で田尾くんを見ると、彼は呆れたようにため息をついた。
「しつこいっすよ」
普段低い田尾くんの声がより一層低く聞こえ、あたしは更に身を縮める。



