「朝からわざわざ教室まで来るって、そんなに離れたくないの?」


もう、さおりってば近所のおばさんみたいに何でもかんでも聞いてくるんだから……。


「田尾くんがそんなことに、答えるわけないで……」


「一時も離れたくないっすね」


田尾くんの発言に、あたしもさおりもあんぐり口を開ける。


嘘……。

田尾くんが、そんなこと言うなんて……。


想像もつかないのに……。


「先輩がいつどこで何をしてるのか、めちゃめちゃ気になるし」


大胆な発言をする田尾くんの表情はとてもクールで、言っていることと顔が全く正反対。


「学年が違うこと自体、イライラしますよね」


「た、田尾くん!もうわかったから!!もうそれ以上言わないで」


ふたりっきりの時ならまだしも、こんなにたくさん人がいる前でそんな恥ずかしい事言わないでよ。


恥ずかしすぎて、もうどうにかなってしまいそうだ。