噂を聞いて、もうあたしとは口を聞いてくれないかもしれない。


さおりとも、もう親友には戻れなくて……。


あたしの居場所は、バスケ部にもクラスにもなくなるかもしれない……。


あたしは、唇を噛みしめて踵を返した。


こんな状況で部活には行けない。


みんなからの冷たい視線を浴びるだけだ。


グッと足に力を入れて、急いで逃げるように走った。


涼しくなり始めた夕方の風が、あたしの冷や汗に絡みつく。


走っているのに、冷たくなった汗が体を冷やしていった。