「ここ、食堂あるんすね」


「うん、そうだよ。ご飯とみそ汁は好きなだけおかわりできるよ! それに、おかずもすごくおいしくて……」


去年経験したご飯のおいしさを小さな声で興奮気味に言うと、田尾くんは急に顔をしかめて少し不機嫌そうになった。


「俺、安心したんすけど」


……安心?


なにに?


「食堂があるんなら、自炊じゃないわけですよね?」


「……まぁ、おばちゃん達が作ってくれるからね」


って言いながら、何となく次に田尾くんが言ってきそうなことが想像出来、あたしは眉を潜めた。


「もしかして、あたしがご飯作るんだったらどうしようとか思った?」


目を細めて言うと、田尾くんは「さぁ」と口をへの字に曲げて肩をすくめた。


やっぱり!!


わざわざ嫌味を言う為に近づいてきたの!?


とことん腹の立つヤツだ!!