「ちょっと! 最近、らしくないんじゃない?」


昼食時間、自席でお弁当をスクールバックから出していると背後から声を掛けられ振り返った。


「あ……さおり」


あたしは小さく口角を上げ、お弁当を机に広げる。


あたしの力のない頬笑みを見たさおりは、眉を上げてため息をつき、あたしの前の席に横向きに腰かけた。


さおりは朝コンビニで買ってきたのか、サンドウィッチと紙パックのオレンジジュースを出して包装をあける。


「まぁ、男バスは最近色々あるからねぇ、美海が凹むのも分からなくはないけど」


さおりはパクリとサンドウィッチを一口頬張ると、眉間にシワを寄せてサンドウィッチを持つ手であたしを指した。


「そんな簡単に凹むなんて、珍しいじゃん」


「……うん」


あたしは小さく答えて、フォークでお弁当のご飯をただ突っつく。