……気づいた?


あたしが緊張してるの……。


何も気づいてない?


お願い、気づかないで。


気づかれたら、もう田尾くんと会話が出来なくなる。


恥ずかしくて、きっと顔も見られない。


好き……?


うん……。


あたし……田尾くんのこと、好きなのかもしれない……。


あたしは、気づいた気持ちを胸にしまいながら、大きな田尾くんの背中を追って走った。