教室、靴箱、校舎裏。
思い当るところは全て探したのに、どこにもいない。
さっき部室に行った時、田尾くんの荷物があるかどうか見ればよかった。
もう帰っちゃったのかな……。
探すのを諦めようとした、その時……。
遠くから微かにボールをつく音が聞こえてきた。
あたしは前かがみの体を起こし、微かな音を探る。
グラウンドの、方?
ゆっくりゆっくり、音を逃さないよう歩く。
やっぱり、音はグラウンドからする。
もしかして、田尾くん?
あたしはゆっくり歩いてた足の回転を早め、また走り出す。
グラウンドの端にある、ひとつのバスケットゴール。
そこで、田尾くんはひとりでボールをつき何度も何度もシュートを打っていた。
足音を立てないように慎重に進み、どう声を掛けていいのかわからなくて、大きく息を吸う。
「それ、趣味なんすか?」



