ジークの目線が自分の手にある事に気付いたグランは慌てて手のひらを隠した
「お前…なんだよそれ」
グランは下を向いて血相を変えた
「これは…こ、転んだんだよ」
バレバレな嘘にジークは真実を聞こうとした。
だが、グランの顔と行動を見ただけで
今自分が聞こうと思った事を必死に隠しているのが分かった
ジークは一回開けた口を閉じた
「そ、そう。気を付けてね…」
なにも聞かなかった
と言うよりは聞けなかったのかもしれない…
その後グランはシャル王に呼ばれジークは自分の部屋に戻った
広すぎるジークの部屋はこんな気分の時はいい迷惑だ
バタンとドアを閉めると目の前は真っ暗になり、音も聞こえない
すぐに明かりを付けてCDをかける
ファブラスという人の曲だ
初めて外へ出た時にあった人で路上ライブをやっていた
今では有名人で
世界のあらゆる所にファンがいる
ジークその後すぐにベットにダイブした
ベットからは少し花の香りがする
「(あれは何だったんだろう)」
目を閉じてグランの手のひらにあった模様を思い出す
よくまぁ、転んだなんて言えたもんだ
手には『印』があった
そこに何かの動物が描いてあったのは間違いない
ジークは自然に囲まれて生きてきたので視力はかなりいい
グランも勿論知っている
それでも嘘をつかなくてはいけない何かがあったのだろう
ジークは少し考えたが「ハァ…」とため息を着いてベットから起きた
考えてる自分がアホらしくなった
親友のグランだ。
少ししたら教えてくれるだろう…
などと思いっていた
『いいか?明日だ、明日であの力は完全に僕たちの物になる』
心の交差をも知らないで……
