「何をやってるんだい?」

そこにはジークと同じぐらいの子が立っていた

「グ、グラン!」


ジークの唯一の友達であり、親友のグランは手で耳を覆いながらコッチを軽く睨んでくる


「お前、いつここに来たんだよ!」


「いつって……」

グランはニヤッと笑いジークを見下ろした


「この前やったじゃないか」



おそらく『エールノリュ(空気を操る)』
魔術の事を言っているのだろう

この魔術は空気を操る事により足音をたてず、瞬時に移動する事ができる


ジークもそれくらい知っていた
だがジークが聞きたいのはその事ではなかった


「グラン!お前この王宮かくれんぼでは魔術を使うなっていったじゃねぇか」



「あれ?そうだっけ?」


グランは首をかしげながらまだニヤニヤしてる

「イライラする…マジでイライラする」


ジークはグランの事をおもいっきり睨んでやった

「そんな怒らないでよ……ジークフリート王子」



「……」


ジークは飽きれたていた


「(ダメだこいつ…

かれこれ10年も一緒にいるのに…

今までの人生14年のうち10年もいるのに






俺の事をさっぱり理解してない…!)」



「俺をその名前で呼ぶな!!!王子も禁止だ!!!!」



ジークはフランスのある地域をおさめている王の息子でグランの言うとおり王子なのだ

ジークの父シャルはよく城を抜けるがジークは外にはあまり出た事が無い



だから王宮人以外でシャル王に息子がいると言うことをしっているひとは片手で数えられるぐらいだ



それが理由ではないが…

ジークはこうよばれることが『ハズレアタリグレープ』より嫌いだ



『ハズレアタリグレープ』って言うのは












グレープのように茎にたくさんのチョコが付いていて中には色々な具が入っている、今この国で大人気のお菓子だ



だがジークはこの紫色のチョコが大っ嫌いだ


小さい頃置いてあった『ハズレアタリグレープ』を食べたところ中から虫が出てきた事があった



それ以来トラウマになって食べられなくなった



「はいはい、わかってるよジーク」


グランはジークが立ったのを確認すると
また話し始めた

「ジークの驚く顔が見たくて」


グランはクスクスと笑っていた


ジークも最初はムキになったものの、毎度の事なので諦めがついたようだ



「まぁ、いっか。」

ジークはため息をつきグランに手を出した


グランは「ん?」って顔をしていたが
ジークはさらにグッと突き出した



「魔術の特訓しようぜ!」