「ねーね、カレシいたの!?」


「お姉、どこでこんな人捕まえたの…?!」


「捕まえたとか人聞きの悪いこと言わないでくれる…!?」




一気に騒がしくなった家に、私は溜め息をついた。


まあ、騒がしいのは家の中だけじゃないけど……。




「突然お邪魔してすみません」


「いいのいいの!樺恋が何も教えてくれないからいけないのよっ」


「私のせい!?」




今度からはちゃんと教えるのよっ!、とペシペシと頭を叩いて来る。


…まあ、いっか。




「これ、詰まらない物ですが…」


「わあ!ごめんなさいねっ、気をつかわせちゃって」


「いえ。俺が渡したかっただけなので」




そう言ってにっこりと笑う流生先輩。