金持ちくんと貧乏ちゃん




暫く階段を登って、辿りついた場所が校長室だった。


…何で、旧校舎の校長室なんかに……。




「流生ー、連れて来たよー」




ガチャリ、とドアを開けて堂々と部屋の中に入って行く輝先輩。


…待って。今、“流生”って……?




「遅ぇ…」


「しょーがないじゃん。北校舎からじゃ遠いんだから」




茶色い革の椅子深く腰掛け、肘掛けに頬杖をついてこちらを見ている…いや、睨んでいる人がいる。


その前には黒い革のソファーがテーブルを挟んで2つ置いてある。


…あの人…もしかして……。




「まぁまぁ、ちゃんと流生くんのお目当ての子連れて来たんだから許してよ」




私は訳がわからず、ただドアの前で呆然と立ち竦んでいた。


すると、頬杖をついめ私を見つめていた先輩が不意に立ち上がった。


何…!?私、何か悪いことしたっけ!?


入学してまだ2週間。悪いことなんて何一つしていないし、した覚えもない。


そして先輩は一定の間隔を開けて私の目の前にピタリと止まった。


と…とりあえず、謝った方がいいのかな…!?めっちゃ険しい顔してるし…!!


何を言われるのかと、いろんな意味でドキドキしていると先輩の唇がゆっくりと動いた。