実際、具合は良くないし。ていうか最悪
だ。
ガラリと保健室のドアを開けると、薬品
の独特な匂いが鼻をつく。
だけど、嫌いじゃない。この匂い。
「あら美作さん。どうしたの?」
「すみません、気分が優れなくて。少し
寝かせて貰えますか?」
「あら、大丈夫?そこのベッド使って。
熱も測る?」
「いえ、熱はいいです」
そう断って、しっかり整えられた、清潔
性のあるベッドに潜り込む。
真っ白なカーテンから、僅かに届く陽が
温かい色をしていて、眠気を誘った。
トロトロと、意識が揺らいでいくのを感
じながらゆっくりと目を閉じる。
このまま、目が覚めたら。
全部、夢だったらいいのに。
───だけど、そんなのは所詮、夢物語
でしかなくて。
「麗ちゃーんっ」