厄介な相手に引っ掛かってしまったな、
とため息をつきたくなる。



彼らと出会ってから、何回ため息をつけ
ば気が済むのかしら……。



しばらく歩くと、ふと、雅が足を止めた




それから、少しだけ後ろを振り返り、僅
かに眉を寄せる。



「……なんでずっと後ろを歩いてる」



私が一定の距離を開けながら、雅の後を
くっついていたのが気に入らなかったの
か、不服そうにそう言う。



でも、なんだか、雅の隣を歩くのは憚ら
れた。



「どこを歩こうが、私の勝手でしょ」


「……隣に来い」



なんで、と訊いても、答えてくれそうに
なかったので、仕方なく雅の隣へと並ぶ




すると、雅が少し目を細めて、私を見据
えてきた。



「逃げるなよ」


「……逃げない」