そういえばそうだ。
仁斗は屋上で助けてくれた時、確認する
ように私の名前を口にしたし、類にした
って、麗ちゃん、ってすごくさりげなく
私を呼んだ。
「……なんで、有名なの」
「それは姫がすごく美人で、それでいて
独特な雰囲気を漂わせているからじゃな
いのかなー?」
「……美人でもなんでもないし……。た
だ、人間があまり好きじゃないからこう
いう雰囲気になるのよ」
そう言った瞬間、悠にギロッと睨まれた
。
「人間が嫌いなんだったら来んなよ」
「私だって来たくて来たんじゃないわよ
」
さっきからいちいち癪な態度を取ってく
るから、少し強めに言い返す。
私だって出来ることなら今すぐ逃げ出し
てしまいたいのに。
でもそれは無理そうだ、と諦めて、雅を
見上げると、漆黒の瞳とぶつかった。


