でもそれなら、屋上で仁斗が助けてくれ
た時に、女の子が皆ビックリしていたの
にも頷けるし。
今日、雅が尋ねてきたときのあの異常な
までに張りつめていた空気は、気のせい
なんかじゃなかったのかもしれない。
「やっぱり、龍牙の存在自体、知らなか
ったんだ~」
そう言ったのは、仁斗。
両手を首の後ろで組みながら、やけに楽
しそうにニコニコしている。
「りゅう、が……?」
聞いたことのないその単語に、眉を潜め
れば、春希が目を大きく開いた。
「え、龍牙自体を知らないのーっ?だか
ら雅にも全然怖じ気づいたり、媚びたり
しないんだねぇ」
ほうほう、と珍しいものでも見るかのよ
うにそう言ってきた春希。
……なにそれ。さっきから、彼らの言っ
てることを何一つ理解出来てない。


