「──今日はごめんね、麗ちゃん」



家の前までつくと、類がポツリとそう言
った。



そして、類は無理やり作ったような笑顔
を貼り付けて。



「また明日ね、麗ちゃん」



と帰っていこうとするから。


思わず、そんな類の服の裾を掴んで、引
き留めてしまった。



類が、少し驚いたように目を見開く。



だけど、駄目なんだ。


こんな状態の類を、一人にはしておけな
い。



「類、苦しいなら苦しいって……泣きた
いなら泣きたいって、言っていいのよ」



お願いだから、そんな痛々しい笑顔はや
めて。



「私が見守ってるから……私が、傍にい
てあげるから……」