俺が気付いた事に、雅が気づかない訳が
無いんだから。
雅が俺より劣ってるなんて、そんなこと
、天地がひっくり返ったってあり得ない
んだからさ。
雅は一瞬、俺の真意を探るように俺を見
つめてから、スッと目を逸らした。
「……ああ」
知ってるよ、と呟く雅。
「いいの?このまま放っておいても」
「……俺が何かを決める事じゃない」
そうだね。雅の言うことは、あってるよ
。俺だって、このまま見守ってればいい
と思う。
だけど俺は部外者で、傍観者だから。
複雑に渦巻くその恋の渦中に、俺は居な
いから。
だから、見守ろう、って言える。
だけど、雅は?
その渦中の真っ只中にいる、雅は。


