周りは徐々に変化してきてる。麗ちゃん
の影響で。
だけどそれはいい変化だと思う。──特
に、悠。
悠がバレてないつもりなのかもしれない
けど、悠が麗ちゃんに恋愛感情を抱いて
いるのは、すぐにわかった。
麗ちゃんを見つめる瞳が、優しいから。
麗ちゃんを見つめる瞳が、甘いから。
正直、どんな感情であるにせよ、雅が麗
ちゃんを大事にしているこの空間で、悠
のその気持ちを全面的に応援するのは難
しい。
だけど、とてもいい兆候だと思う。
今まで家のことで、ずっと気が張ってい
た悠に、ようやく安らげるものが見つか
ったのだから。
そりゃあ、悠だって俺達の事を、それな
りには頼りにしていただろうけど。
だけど結局俺達は、いつも売られた喧嘩
を買うだけで。
