どこか異様な雰囲気を放つそこに、何の
躊躇いもなく進んでいく雅。
今のうちに、走って逃げ出せたりしない
かしら、と周りを見渡すも、全く知らな
い風景すぎて、無事に家へとたどり着く
自信がない。
ケータイも、家だし。ていうか学校には
必要性が無さすぎて持ってきてない。
……もう、従うしかないのか。
これから何を言われるかなんて検討もつ
かないけれど、とりあえず頃合いを見計
らって、適当な理由をつけて帰ろう。
そうおもいながら、私は雅の後に続いた
。
倉庫の中には、何故かテーブルやキッチ
ン、テレビまでもがあった。
テーブルの近くには黒いソファーも置か
れていて、まるでどこかの一軒家のよう
で。
そして、そこには四人の男たちが待って
いた。
そして、その内の一人が顔馴染みである
ことに気づく。
「……春希?」
「やっほー!また会ったね、麗ちゃん」


