「うーん……あ、林檎飴が食べたい」
すぐ側にあった林檎飴の屋台を指差して
、そう言った麗。
林檎飴か……懐かしいな。
「じゃあ俺も。すいません、林檎飴2つ
──」
「1つでいいです」
屋台のおっさんに、自分の分と麗の分、
2つ頼もうと思ったら、麗が横からそう
言った。
え?と俺が思わずフリーズしてる間に、
「はいよ~」とおっさんが麗に林檎飴を
渡していて。
「行こ、悠」
訳がわからないまま、俺は麗に連れ出さ
れた。
「……俺も食べようと思ってたんだけど
」
ちょっとムッとしながらそう言うと、「
知ってるわよ?」と首を傾げた麗。
知ってんならなんで1つなんて言ったん
だよ。俺に恨みでもあんのか?