恥ずかしくて目を逸らしながらそう言う
と、クスッと麗に笑われてしまった。
……俺だって一杯一杯なんだよ。
こんな可愛い麗を前にして、冷静に平静
になんていられるわけがない。
「ふふ、ありがとう」
「……別に。」
別に、とか、どうしてこうもつっけんど
んな言い回しになってしまうんだろう。
もっと愛想よく、ストレートに想いを伝
えられればいいのにな。そーいうの、類
とか得意そうだよな。
まあでも、いいか。
言葉で伝えられないなら──行動で、示
せば。
「ん。」
「え?」
ズイッ、と麗に向かって右手を差し出す
と、麗が不思議そうに首を傾げた。
そんな麗に、思わず不機嫌丸出しの顔を
作ってしまう俺。


