あのあと、夜、帰宅してから再び親父と
向かい合って話した。



親父の気持ちはわかったけど、あの場所
を抜けたくない。──そう言うと、親父
は「わかった」と了承してくれた。



それから、俺達二人が話し合ってること
に気付いた空もやって来て……。



空は、和解した俺達を見て泣いていた。



そんな空に、俺は申し訳なくなった。



まだまだ心も身体も未熟な子供だってい
うのに、空には俺達のせいで、ずいぶん
と色んなモノを抱え込ませてしまったか
ら。



きっと、すごく苦しかったに決まってる




親父が俺と空を近付けさせたくなかった
のは、空まで俺と同じように消えてしま
うのが怖いから、という理由だった。



ほんとに、臆病な親父だ。


だけどそんな親父を、放っておけない事
も事実だった。



髪の毛は、直さなくていいと言われた。
「悔しいから言わなかったけど、わりと
似合ってるぞ」、とも。