もう、自覚してしまったら。 四六時中俺の脳内を埋め尽くすこの感情 から、逃げることなんて出来なかった。 そんな術、俺は持ち合わせていなくて。 一度気付いてしまったら。 この気持ちを知ってしまったら。 認めるしか、なくて。 全部全部、俺のものにしたい。 後から芽生えたのは、そんなどうしよう もねー、独占欲。 「悠っ!」 親父と和解した日から、三日後──。 倉庫にやってきた麗は、俺を見つけると 、俺の名を呼びながら一目散に駆け寄っ てきた。