喧嘩をする理由がなくなった。


つまり、もう龍牙に居る意味もない。




だけど。




「俺……ここに居てーんだよ……」



龍牙のメンバーで、居たい。


理由なら、もっと他にある。単純に、コ
イツらといるのが楽しいから。



だけどそんなこっぱずかしい事は言えな
くて、口を閉ざしていると──。



「なーに感傷的になってんだよ?」



そんなからかうような声と共に、仁斗が
肩を組んできた。



「そうだよー!まるで自分がここに居ち
ゃ駄目みたいな言い方。変なのー」



ニコニコしながらそう言った春希。