触れた雅の体温は、想像通り、冷たくて
。少し痛いくらいのそれに、僅かに眉を
寄せた。
「ちょっと、どこ行くの……」
「……」
……無言ですか。
どうやら訊いても答えるつもりはないよ
うなので、気付かれないようにそっとた
め息を漏らす。
ほんと、なんなの……?
やがて連れてこられたのは、駐車場で。
雅の手がパッと離れたかと思えば、いき
なりヘルメットを渡された。
「……え?」
これを、被れと?
いやまあ、ヘルメット渡してくるんだか
らそうなんだろうけど……。
表情には出さないものの、少し戸惑いな
がら雅を見上げると、雅も私を見ていた
。
「それ被って、のれ」