ふと、思い出したように声を上げた類に
、俺は何事かと目を向けた。
「なんだよ」
「や、ちょっと買ってきて欲しいものが
あるんだよね」
「買ってきて欲しいもの?」
俺が怪訝そうに首を傾げると、うん、と
類は頷いた。
「色々と切らしててさ。ここのメモに欲
しいものは書いてあるから、買ってきて
貰えないかな」
そう言って、四つ折りにされた白い紙を
俺に手渡す類。
「まあ、別にいいけど……」
自分で行けよ、とは思うのだが、仮にも
類は一応先輩だし、副総長だし、逆らわ
ないに越したことはない。
俺はメモをポケットに突っ込むと、小さ
く息を吐いた。
「近くのショッピングモールで売ってる
と思うから」


