皮肉をたっぷりと込めた口調でそう言う
と、俺の皮肉に気付いたらしく、親父は
わずかに居心地が悪そうな表情を浮かべ
た。
「仕事で忙しいんだから仕方ないだろう
」
仕事ねぇ。
自分の都合が悪くなると、いつもそう言
う。もうその言い訳は、聞きあきた。
「あんたはそうやって、逃げてばっかり
なんだな」
俺はそう吐き捨てると、冷蔵庫を閉じた
。
「もー作る気失せたわ。俺、外食してく
る」
「俺も一緒にいく!」
空がそう言うと、親父が目を見張ったの
がわかった。
その瞳は、困惑と驚愕に満ちている。
「空!?待ちなさい!そんな奴と……」


