こっちを振り向いた麗から、少し視線を
そらす。



「……今日、俺の不注意で怖い思いさせ
た。……悪い」



そう言うと、麗は「ううん」と首を振っ
た。



「悠のせいじゃないから」



わかってた。


麗が俺を責めないだろうなって事は。



俺がどんなに、麗になにか償いたいと言
っても、麗は許さないだろう。



だから……。



「……メロンパン、あるから早く帰ろう
ぜ」



俺がそんな風にして誤魔化すと、麗は花
が綻ぶように微笑んだ。



それを見ていた他の奴らも、驚いたよう
に目を見張ってる。